高齢化社会の日本における健康寿命について

健康寿命とは2000年にWHOが提唱した概念で、日本の厚生労働省では「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる」期間と定義しています。
つまり、日常生活のことをすべて自分一人でできるような状態の期間のことだと認識しておけば良いでしょう。

多くの人が知っている通り、日本は世界でも有数の長寿国です。
しかしいくら長生きしている人が多いとはいっても、自分一人で日常生活が送れないような状態であれば毎日生活していくのが大変で、いろいろと不自由になります。
日本は平均寿命が長い一方、健康寿命はそれほど長くないと言われることがありますが実際はそうでもなく、健康寿命においても世界トップクラスに位置しています。

しかし、健康寿命と実際の寿命との間にはおよそ10年近くの数値の差があります。
ということは、男女とも10年前後は体の不自由さを感じたり、場合によっては寝たきりでの生活を強いられているということになります。

日本は高齢化が加速しており、これから先さらに高齢者の比率が増えていくことなります。
そのため、一人ひとりに健康寿命のことを考えてもらうのではなく、健康寿命を伸ばしていくことを国も重要な施策の1つとして捉え、「未来投資戦略」という政策の中に健康寿命の延伸を一つのテーマとして掲げています。
当初は2010年の数値と比較して2020年までに平均健康寿命を1歳延伸、2015年までに2歳延伸という目標を掲げていましたが、この目標は2016年の時点ですでにクリアしており、さらなる健康寿命の増加を目標にしています。